音声変化ミニ講座 [15] 複数の音声変化が混ざったつながり方

II. 音声変化の14のパターン

このセクション II では、音声変化を14のパターンに分けました。もっとも頻繁に耳にするタイプの音声変化で、最低限知っておきたいものを取りあげています。

モゴモゴと聴きとりにくい部分の大半では、この14のパターンのどれか、あるいはいくつかが混ざって働いています。音声変化の度合いは人によってもっと強いこともありますが、まずはこのレベルの音をしっかりと把握することが基本です。それぞれのパターンの音を何度も聴き、出来る範囲で真似をしながら耳に焼きつけてください。

【パターン11】 複数の音声変化が混ざったつながり方

二つの語のつながる部分で、二つ以上の省エネ発音が使われることも多いです。
試しに聞き取ってみましょう。

(Don’t ever count on him) to keep his word.
彼が約束を守るなんて、決して当てにしないことだね。

(They weren’t here) last week.

(Why wouldn’t they) be here?
なぜ彼らはここに来ないんだい?

(I’m trying to) find out where he is.
彼の居どころを見つけようとしてるんだ。

How about (going to) the gym?
ジムに行かないか?

いかがでしたか?

ここまでで見てきた、文頭で消える H や音が変わる TH(パターン6)、
「Water ウォーラーのT」(パターン1)、破裂せずに鼻に抜ける D (パターン4)、
「Center セナーのT」(パターン2)などが入り混じっています。

こうした音を聞いて一瞬でわかるようになるためには、
とにかく多量の実例を文字と照らし合わせながら聞き込むことです。
文字を見たら、そこでどのような音声変化が起きそうか、
頭の中でその音を響かせられるようになるまで聞き込む必要があります。

そうやって脳にデータベースができてくると、やがては初めて耳にする組合せの単語でも
すぐに聞き取れるようになります。

多量に聞き込むひとつの方法はテレビドラマや映画をスクリプト片手に何度も観ることです。
音を脳に刷り込むまで、同じ作品を何度も見直すことが大切です。

(DVDの英文字幕は、意味は同じでも違う単語を使ってしまっていることが時々あるので
あまりお勧めはできません。)

音声変化をパターン別にまとめて聞き込めば、この脳への刷り込み作業は効率良く、
より短時間で行えます。それぞれのパターンの背景にある論理はわざわざ覚えなくても、
同じ型のものだけを順番に集中的に聞いていけば、あなたの脳がこれを整理してくれます。

省エネ発音のリスニングにのみフォーカスしたモゴモゴバスターはそのような教材です。

<例文解説>

1. (1) don’t ever ⇒ don never =ドンネヴァー

don’t の語尾の T が落ち、don と残った、新しい語尾の N と ever の E でつながっています。


  (2) count on ⇒ coun don = キャウンドン/キャウンロン

2語がパターン7のリエゾン(→パターン7)でつながり、
  さらに count の T がパターン1の省エネ「WaterウォーラーのT」になっています。


  (3) on him ⇒ on’im = アニム

him の H が消えた結果、on と 残された im の2語でパターン7のリエゾンを起こしています。

2. weren’t here ⇒ weren’near =ワーンニア

weren’t の語尾の T が落ち、weren と残ります。here の H が落ち、ere と残ります。
           werern と ere で普通のリエゾンを起こしてつながります。

3. wouldn’t they ⇒ ウウn dey

wouldn’t の D がパターン4の省エネで、破裂せずに飲み込まれたような音。
語尾のTは落ちます。新しい語尾になった N の音が they の出だしの THと影響しあって(パターン6)
THがN に似た粘った D のような音になります。

4. trying to ⇒ tryin’noo

trying の語尾の g が落ち、 新しい語尾になった N の音が tryinto と T の前に来て、
パターン2の省エネ「Center セナーのT」が発生。T が N に吸収されてしまいます。

5. going to ⇒ goin’noo

going の語尾の g が落ち、 新しい語尾になった N の音が gointo と T の前に来て、
パターン2の省エネ「Center セナーのT」が発生。T が N に吸収されてしまいます。

going to が「ガナ」と変化する一歩手前の省エネ発音です。

2語以上の単語がつながる5つのパターンを見ていきました。
次は、前置詞や接続詞が、きわめて曖昧な音になる音声変化を取上げます。

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