II. 音声変化の14のパターン
このセクション II では、音声変化を14のパターンに分けました。もっとも頻繁に耳にするタイプの音声変化で、最低限知っておきたいものを取りあげています。
モゴモゴと聴きとりにくい部分の大半では、この14のパターンのどれか、あるいはいくつかが混ざって働いています。音声変化の度合いは人によってもっと強いこともありますが、まずはこのレベルの音をしっかりと把握することが基本です。それぞれのパターンの音を何度も聴き、出来る範囲で真似をしながら耳に焼きつけてください。
【パターン9】 「ドンチュ、ディッジュ、ミシュ(don’t you, did you, miss you)」のパターン
学校英語でもおなじみのパターンです。
つなぎめで音が変わるのが、ここまでにとりあげたリエゾンとは少し違うところです。
あとにくる語は、語頭の音が半母音の [j] の音、スペリングはY。
となると you か your のことが大半です。そのせいもあって比較的聴き取りやすいです。
でも、意外な語の組合せやセンテンスのどの場所でこの省エネが起きるか、によって
面食らってしまうこともあります。
いくつか聴きとってみましょう。
But you didn’t tell me.
Yes, you can.
I just did (what you told me) to do.
あなたが、やれ、と言ったことをしただけよ。
No news yet?
まだ知らせ(連絡)、ないのかい?
He’s young.
【パターン10】 Is she イシーのパターンドンチュ、ディッジュ、ミシュ(don’t you, did you, miss you)」のパターン
このパターンは、前の語の語尾に[z]か[s]の音がきて、次の語の頭に sh がきたときにおきます。
[z] [s] の音が sh になってしまうもの。
聞き取りにくく、しかも頻出するものとしては、
is she, was she, does she, has she, because she, as she
といった she があとにくる2語の組合せです。
Is she gonna(=going to) be here tomorrow?
Does she ever call you?
彼女があなたに電話してくることって、たまにはあるの?
ever を使うことで、まったく電話してこないのでは?というニュアンス
最初の例では、Is の出だしの I の音は、ほとんど消えています。
このように、文頭がもやもやと曖昧に立ち上がるのはよくあることです。