音声変化ミニ講座[2] 単語内のアクセントのない音節

I. 省エネ発音の全体像:起きやすい場所と単語

[2] 単語内のアクセントのない音節

英語の辞書を見ると、発音記号というものが載っていて、
発音記号の中にはおなじみのアクセント記号というやつがついています。

前のページで英語のセンテンスのリズムの強音部と弱音部について
述べましたが、ひとつの単語の中でも強音部と弱音部があります。

アクセント記号のついている音節が強音部(強音節)ですね。

センテンスのリズムの谷間(弱音部)で省エネが発生しやすいのと同様、
ひとつの単語の中でも、アクセントのおかれない弱音節では
省エネが起きやすくなります。

センテンス全体にもリズムがあるが、
単語ひとつひとつの中でもリズムがある、とも言えます。

センテンス全体だと、リズムの等間隔を保つために 弱音部で省エネ発音を使いがちですが、
単語の場合は、 アクセントを置いて強調する必要がない部分は
ラクをして話すために省エネになりがちです。

(ある単語が、文の中であまり重要でないものの場合、単語全体を省エネ発音してしまう、
ということもあります。これは次の「機能語」のページで取り上げます。)



water という語を例にあげましょう。

アクセントのあるのは最初の音節 WA の部分です。

WA-ter

アクセントのない弱音節 ter では、 t の音が省エネ発音になります。

こんな音です。

カタカナの「ラ」と「ダ」を混ぜたような音です。

よく water を「ウォーラー」とカタカナで表記しますが、
「ウォーター」と書くより 確かに現実の音に近いですね。

T というのは、しっかり破裂させるのにエネルギーが必要な音。

アクセントのある音節に T がある場合は、際立たせて発音しないといけないので、
きちんと破裂させますが、water のように弱音節に T があるときは
省エネしてラクをしようというわけです。

ちなみに、アクセントのない ter の音節も
きちんと破裂させて発音するとこんな音になります。

省エネすると・・・

自分でも両方をマネして発音してみましょう。
省エネ発音のほうがラクなのが実感できると思います。

さて、アクセントのない弱音節で省エネ発音した結果、
子音が消えてしまうこともあります。
次の二つの例を聞いてみましょう。

probably

pumpkin

これは、子音がいくつも続く場合は面倒なので省いてしまおう、という省エネです。

probably では proBaBly と子音が二つ続いている。 
(最初のBaは一つの音節になってますが、アクセントがなくて母音が弱いので
感覚としては破裂音[b]が続くように感じられる)
pumpkin では puMPKin と子音が3つも続いています。

ですのでラクをするために、

probably ⇒ prob’ly
pumpkin ⇒ pum’kin

と、スペルするような感じの音に省エネしています。

ためしに自分できちんと、ていねいに probably, pumpkin を発音してみましょう。
なんかポキポキした感じで歯切れはよいですが、子音の続くところが面倒くさいのが
実感できませんか?

余談ですが、prob’ly というスペリングは、カジュアルなスペリングとしても定着しています。
さらに省エネが進んだ音のスペリング prolly などというのもあります。
これは、b の音がどちらも消えています。省エネというより「崩れた発音」と言えます。
ここまでいくと、ちょと教養を疑われてしまう発音・スペリングと見なされます。

以上、一つの単語内で省エネ発音が起きる例でした。

コメント

  1. […] 次のページに進みましょう。 […]

タイトルとURLをコピーしました