留学する意味ってあるの?

「1年間アメリカに留学したら英語ぺらぺらになる」などというのが単なる神話に過ぎないことは、最近では多くの人が知っています。長い期間英語圏で暮らした経験のある人たちが日本に増えたので、身の回りにいるそういう人から直接、あるいは友人などを通して間接的に、「1年でぺらぺら」神話の現実を知る機会が増えたからだと思います。もちろん「ぺらぺら」が何を指すのかにもよりけりですけど。)とにかく、英語圏に生活しているだけで英語の実力が自然に伸びる、ということはありません。

それでは、留学する意味ってあるんでしょうか?(ここでは大学の学部レベルの留学のみを考慮します。)

おおいにある、と私は思います。

まず英語学習の面だけで言うと、話す機会をいくらでも作れるというメリットがあります。
インプット(リスニング)と並行して、アウトプット(スピーキング)を大量にこなさないと話せるようにはなりません。日本だと、どうしても限られてしまうアウトプットですが、英語圏にいればその機会はいくらもあります。

ただ、「知り合った人たちのほうから話しかけてきてくれるのは最初のうちだけ」、と思ったほうがいいです。特にあなたが男性ならそうです。言葉の壁や話題の違いのせいでなかなか会話が続かないあなたに、皆がことさら親切にしてくれるのは始めのうちだけ。 あとはあなたのほうから積極的に近づく姿勢が大切です。

あと、英語学習の面のプラスは、あなたの知っている言葉が実際にどのように使われているのか、また「こういうときはこう言えばわかってもらえるのか」といった手ごたえを得られることです。こういうのは日本にいて映画や海外ドラマのシーンでも疑似体験できます。でも、やはり自分で使ってみて相手からの反応をモロに感じるのとはインパクトが違います。

さて、英語学習以外の面での留学のメリットというのは本当にかけがえのないものだと、私は自分の経験からも思っています。

まず、文化の違いを肌で感じられる。「文化」というと抽象的ですねえ・・・。

例をあげると、日本では「そんなことすると人に笑われる」などとよく言いますよね。他人の目を良い意味でも悪い意味でも気にする。でも、これがたとえばアメリカだったら、この「人に笑われる」という感覚は、ものすごく少ないです。

そういう文化の違いは、しばらくアメリカにいて「人に笑われるかも」という意識ゼロ、みたいな
人たちを実地に観察したり、生き方のコアの部分まで良くも悪くも他人の目を気にしない人たちと知り合ったりすることで、わかってきます。そして、あなたの視野とか感性とかがひろがります。

もちろん、外国人であるために、また言葉が不自由であるために、長くいると嫌な経験もするでしょう。でも嬉しい、豊かな経験がそれを上回るもの。外国に生活しているがゆえの感動とか、思い出に残る経験がたくさんできるはずです。そういう経験は大きな財産だし、人生の方向決定にも関係してきたりします。

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