ひとつひとつの単語に正しいスペリングがあるのと同じく、
ひとつひとつの単語には正しい音、つまり正しい発音があります。
スペリングがマチガイだらけだと、あなたの書いたものを人が読んで
わかってくれないのと同じで、発音が間違っていると
あなたの話すことはわかってもらえません。
多少のスペリングミスなら、相手がわかってくれることもありますね。
じゃ、どのくらいの「発音ミス」ならわかってもらえるんでしょう。
言い換えれば、発音はどこまでできればよいのか、、、
日本とアメリカで数多くの日本人の英語を指導してきた私の経験、
アメリカに住んで30年を超える自分自身の経験から出した結論は
こうです。
1.日本人にとって聞き分けにくい音(=発音しにくい音)の違いを
知っている。
2.これらの音を注意さえすれば自分でも、少なくともかなり似せて
発音できる。 (「ネイティブみたいに」きれいな発音である必要はない。)
発音が多少日本語訛りでも文章のリズムが英語のものになっていれば
相手にとっては聞き取りやすいので、問題なく通じます。
ここで「日本語訛り」と言うのは、
「英語の正しい音に似せようとしてるけど日本語の影響が残っている」発音です。
「日本人にとって聞き分けにくい音」を「えーい、めんどくさーい!」とばかりに
カタカナ発音でどれも一緒くたに発音しちゃうと、
これはもう「日本語訛り」じゃないです。
ネイティブから聞くと「英語に似た外国語の音」。通じません。
ところで、 「自分で発音できないと聞けない」という説があります。
これはある程度は当たっています。
「ある程度」というのは、「ネイティブそっくりな」
カンペキに近い発音になる必要はないということです。
「自分で発音できない」ということは、あなたの頭の中に、
その音の正しい音が存在しないということです。
頭の中にない、ということは、その音を聞いても それが意味を持つ英語の音だと
さえわからない。脳が雑音として処理してしまうからです。
なので、聞き取れるためには、頭の中に英語の正しい発音をストックできていれば
いいわけです。そのためには、上に書いたとおり「注意さえすれば自分でも、少なく
ともかなり似せて発音できる」ところまでは突き詰めて練習する必要があります。
ありがたいことに、学校で教わる基本的発音に関しては、
このレベルになるのは割かし簡単です。
人にもよりけりですが、一ヶ月も、みっちりトレーニングすれば
たいていは充分です。
必ず、あなた自身の発音を録音して、お手本と比べましょう。
最初は、録音された自分の発音を聞いてショックを受けることもあります。
でも、それって考えようによっては、「今こそ、本当のチャンス!」。
録音機は裏切りません。ウソもつかない。
必ず、進歩が実感できます。
自分で何度もダメだしをして少しずつ似せていく努力が必要です。
「努力」と書きましたが、これって、結構楽しい作業ですよ。
では、「日本人にとって聞き分けにくい音(=発音しにくい音)」には
どんなものがあるでしょうか。
代表的なものをあげてみます。
(1) 似た母音。
cat, cut, cot の違い。
caught, coat, court の違い。
hurt と heart の違い。
fill と feel の違い。
(2) 似た子音。
L と R の違い。
でもこの二つの聴き分けはできたりできなかったりでも構いません。
リスニング全体から見れば決定的な要素じゃないから。
確かにこの二つの聞き分けを混同すると、
話がトンチンカンになってしまうことはあるでしょうけど^^;
自分の中ではちゃんと区別して発音しましょう。
(ちなみにRが難しいと感じる人は多いですが、
Lの発音がきちんとできることもとても大切。
カタカナの「ラ行」でLを発音していると通じにくいです!)
あと似た子音の例は・・・
boat と vote の違い。
sink と think の違い。
see と she の違い。
こうした音をきちんと区別するのが大切です。
正しい口の構えと舌の位置を知って、自分なりに区別して発音できるようにします。
気をつけて発音すれば、かなり似た音を出せるところまで。
そうすれば、あなたの発音は、コミュニケーションするためには合格レベルです。
ところで、「発音」とひとことで言っても、私たちが中学校以来習ってきた
基本的発音に加えて、映画や海外ドラマで多用される、
カジュアルな省エネ発音の二つがあります。
オールラウンドなリスニング能力を身につけるには、
この二つの発音のどちらも習得する必要があります。
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